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脱・属人プログラム — 学習ノート

Claude Codeの4つの入り口
Web・デスクトップ・IDE拡張・CLI

— 中身は同じAI。違うのは画面だけ。「乗り換え」ではなく「使い分け」

Claude Codeは、ブラウザのWebデスクトップアプリ・VS CodeなどのIDE拡張・ターミナルのCLI、4つの場所から使えます。この教材ではとっつきやすい順に並べ、それぞれの中身と得意分野、最後に「並列で作業を回したい人」への注意点まで、専門用語ぬきで整理します。

2026.07.30 作成 / 内容は公式ドキュメント(Anthropic)で確認

この話の結論(3つだけ)
  1. 4つは別製品ではなく、同じAIを違う画面から使っているだけ
    CLAUDE.md・記憶・permissions・hooks・skills・MCPは、どこから触っても共通
  2. 選ぶ基準は2つだけ:①自分で書く⇔任せて確認 ②PCを閉じられるか
    迷ったら「今やりたい作業」で入り口を変えればいい
  3. 「並列で複数の作業を安全に回したい」なら、今はDesktopアプリが一番向いている
    セッションごとに自動でGit worktree(作業コピー)が割り当てられ、他の作業と衝突しない。ただし画面に同時に映せるのは2つまで

はじめに

中身は同じAI。違うのは画面だけ

「CLIとデスクトップ、どっちを覚えればいいの?」という問いは、実は少しズレています。4つとも中身のAI(頭脳)は同じで、違うのは画面(入口)得意分野だけだからです。

この資料では、とっつきやすい順に並べています。

入口どういうものかこんな人に
Web(ブラウザ)インストール不要。ブラウザで開く。パソコンを閉じても作業が続く。ただしPCの中にしかないフォルダは扱えない長い作業を投げて離席したい人
※コードをGitHubに置いているのが前提。お試し公開(リサーチプレビュー)中
デスクトップアプリ専用アプリ。黒い画面を見ずに使えるはじめての人。まずここ
IDE拡張(VS Codeなど)ふだんのエディタの中で使う自分でコードを直したい人
CLI(黒い画面)ターミナルから使う。機能がいちばん多い慣れてきて、重い自動化をしたい人

大事な前提を先に。CLAUDE.md・記憶・permissions・hooks・skills・MCPは、4つのどこから触っても共通です(公式ドキュメントで確認済み)。だから「CLIで作った設定が、Desktopでは使えない」ということはありません。場面ごとに入り口を変えるだけで、積み上げた資産はそのまま持ち越せます。

PART 1 / 3

4つの入り口、それぞれの中身

Web・デスクトップ・IDE拡張・CLIが「何者で・何が得意か」を1つずつ。とっつきやすい順に並べています。

第1章

Web(ブラウザ)— パソコンを閉じても作業が続く

Webは、インストールが要らず、ブラウザで開くだけの入口です。作業がクラウド側で動くので、パソコンを閉じても止まりません。長時間かかる作業を投げて、帰ることができます。

はじめの1台目には向きませんブラウザで開くだけ、と手軽そうに見えますが、条件が2つあります。①ブラウザから始めるには、コードをGitHubに置いていることが前提です(クラウド側があなたのGitHubからコードを取ってきて動かす仕組みのため)。②Web版は現在「お試し公開(リサーチプレビュー)」の段階で、Pro・Max・Teamなどのプランが要ります。

なお、GitHubに置いていない手元のフォルダでも、クラウドに送る方法はあります。黒い画面(CLI)から claude --cloud と打つと、そのフォルダをまとめてアップロードしてくれます。ただしそのフォルダがGitで管理されていること(1回以上の保存がしてあること)が条件で、結局CLIが必要です。「ブラウザだけで完結する入口」ではない、と考えてください。

Webが得意なこと

得意中身
PCを閉じても継続クラウド上のAnthropic管理環境で動くため、ブラウザを閉じても作業が止まらない
ルーティン(定期実行)管理の本丸claude.ai/code/routinesが、時刻・API・GitHubなどすべてのトリガー種別に対応する最も充実した管理画面
離席前提の長時間タスク投げて帰れる、が最大の強み
正確な位置づけ(誤解しやすい点)「ルーティンはWeb専用」ではありません。CLIの/scheduleコマンドや、Desktopアプリのサイドバー(Routines→New routine→Cloud)からも作れます。Webは「最も機能が揃った入口」であって「唯一の入口」ではない、というのが正確な理解です。

第2章

デスクトップアプリ — いちばんやさしい。ふだんはこれ

デスクトップアプリは、黒い画面を一度も見ずに使える入口で、はじめての人はここから始めるのがいちばん早いです。「AIに投げて、結果を目で確認する」日常作業にも一番向いています。設定はCLIと共有されるので、CLAUDE.mdもhooksも作り直しは不要でそのまま効きます。

デスクトップアプリが得意なこと

得意中身
複数セッションの並列管理サイドバーに全セッションが並び、状態(実行中・待機・完了)やプロジェクトで絞り込み・グループ化ができる
見やすい配置1つのセッションの中にあるチャット・差分・ターミナル・ファイル等の部品(ペイン)を、ドラッグ&ドロップで自由に配置できる
2セッションの分割表示Cmd(Mac)/Ctrl(Windows)を押しながらサイドバーの別セッションをクリックすると、2つ目が並んで開く
統合ターミナル・アプリ内エディタ別のアプリに切り替えずに、ターミナル操作やファイル編集がアプリの中で完結
プレビュー・差分ビューア作った画面(HTML/PDF等)をその場で確認、変更前後の比較も視覚的に
片付けの自動化PRがマージ・クローズされると、そのセッションは自動でサイドバーからアーカイブされる

詳しい安全のしくみ(Git worktreeによる自動隔離)と、「画面に同時に映せるのは何個まで?」の答えは、第6章でまとめて扱います。

第3章

IDE拡張(VS Codeなど)— 自分でコードを直したい人向け

IDE拡張は、自分でコードを直接いじる・手直しする局面に向いた入り口です。「AIに投げて動けばOK」で作業が回っている人にとっては、出番はやや狭くなります。

IDE拡張が得意なこと

得意中身
サイドバイサイドの差分表示変更前後を並べて比較する専用画面で確認できる
@メンションエディタで選択した範囲や特定のファイルを、@で指定してAIに渡せる
いつもの画面がそのまま使える普段のエディタ画面に変更が重なるので、細部を自分の目で追いやすい
用語の正確な使い分け「変更がエディタの該当行に直接、赤緑で重ねて表示される」という説明を見かけますが、公式には「サイドバイサイド(並べて比較)」の専用画面という説明がされています。細部の表現は変わっても、「変更前後を見比べながら判断する」という本質は同じです。

第4章

CLI(黒い画面)— 機能がいちばん多い。慣れた人向け

CLIは、4つの中で唯一「全機能フルセット」の入口です。他の3つが、CLIの一部機能を諦める代わりに見やすさ・扱いやすさを取っている、という関係になります。

CLIが得意なこと

得意中身
大規模な自動化ヘッドレス実行・GitHub Actionsなど、無人で回す仕組みづくりの本拠地
自社アプリへの組み込みAgent SDK(後述)を使ったプログラムからの呼び出しは、開発作業としてCLI環境で行うのが基本
ルーティン(定期実行)の作成/scheduleコマンドで、時刻トリガーのルーティンをその場で作れる
Agent View(研究段階)claude agentsコマンドで、複数セッションの状態(実行中・待機・完了)を1つの表で確認できる
正確な位置づけ(誤解しやすい点)「Agent SDK(Claudeを自社アプリに組み込む技術)はCLI専用」という理解は正確ではありません。Agent SDKは独立したPython/TypeScriptのライブラリで、CLI・Desktop・Webどれを使っていても裏側では同じ技術が動いています。CLIは「開発者としてその技術を組み込む作業をする場所」という位置づけです。

PART 2 / 3

使い分けと、並列作業の朗報

早見表と、Desktopがなぜ並列作業に強くなったのかを掘り下げます。

第5章

使い分け早見表

項目WebデスクトップIDE拡張CLI
一言で閉じても続くいちばんやさしい自分で直す人向け機能がいちばん多い
はじめやすさ△ GitHubが要る/お試し段階◎ アプリ1つ△ エディタが要る△ 黒い画面に慣れが要る
向いている作業長時間タスクを投げて離席日常の「投げて確認」自分でコードを直接いじる大規模自動化・組み込み
並列作業の「安全性」クラウドで複数タスク◎ worktreeで自動隔離複数タブ・ウィンドウ(衝突は自己管理)複数ターミナル/Agent View(研究段階)
画面で同時に見比べられる数クラウドの管理画面から2つまで(3つ目は入れ替え)◎ 何枚でも並べられるターミナルの数だけ
PCを閉じても続くか◎ 続く続かない(ローカル実行時)続かない続かない
ルーティン作成◎ 時刻・API・GitHub全対応◯ サイドバーから(時刻のみ)/schedule(時刻のみ)
迷ったらまず始めるならデスクトップ。日々の「投げて確認」もデスクトップ。時刻指定だけの定期実行→CLIDesktopで足りる。API・GitHubの出来事で発火→Web(ここだけ対応)。重い自動化・独自ツールへの組み込み→CLI。自分でコードを細かく触る、または3つ以上を同時に画面で見比べたい→IDE拡張

第6章

並列で回したい人へ — 朗報と、正直な限界(Git worktree隔離)

「IDE拡張でたくさんウィンドウ・タブを開いて、仕事を並列で回すのが好き」という人への話です。結論から言うと、Desktopアプリが上回っているのは「安全性」であって、「画面に何個並べられるか」ではありません。ここを混同しないよう、朗報と限界の両方を正直に書きます。

朗報:IDE拡張の複数タブより、実は安全

IDE拡張で複数タブ・ウィンドウを開いて並列で回すとき、同じファイルを複数のセッションが触ると、互いの変更が衝突する可能性があります(並列度を上げるほど踏みやすい落とし穴です)。

Desktopアプリはここを構造で解決しています。Gitリポジトリ内の各セッションが、Git worktree(プロジェクトの隔離された作業コピー)を自動で持ち、あるセッションの変更は、コミットするまで他のセッションに影響しません。これが、並列作業を「見た目だけ並列」ではなく「実際に安全」にしている肝です。

限界:画面に同時に映せるのは2つまで

ここは正直に訂正が必要な点です。Desktopアプリには、VS Codeのようにたくさんのタブを1画面にグリッド状に並べて全部見渡す機能はありません。公式ドキュメントで確認できたのはこうです。

やりたいことできる?
2つを左右に並べて見る(分割)◯ できる(CmdCtrlを押しながらサイドバーのセッションをクリック)
3つ以上をタイル状に並べる✕ できない(3つ目をクリックすると、今表示中のどちらかと入れ替わる)
全セッションを一覧できるダッシュボード△ サイドバーに名前と状態は並ぶが、ライブで監視できる多画面ダッシュボードではない

つまりDesktopの並列表示は、最大「2つ横並び」まで。それ以上はサイドバーのリストで名前が並ぶだけで、セッションが終わるとOS通知で教えてくれる、という設計です。「全部を常に画面で見張る」のではなく「投げておいて、終わったら通知で気づく」使い方が、Desktopでは一番合っています。3つ以上を同時に監視したいなら、CLIのclaude agentsコマンド(Agent View・研究段階、第7章参照)が全セッションの状態を一覧表示してくれますが、これはターミナル専用の機能で、Desktopアプリの中の機能ではありません。

安全性(衝突しないか)画面に同時に映せる数
IDE拡張の複数タブ裏では同じ作業コピーを共有していることがある(手動管理・衝突リスクは公式に明記なし=自分で注意)◎ タブ・ウィンドウの数だけ何枚でも
Desktopの複数セッション◎ セッションごとにGit worktreeで隔離(衝突しにくい構造)2つまで(3つ目は入れ替え)
ひとことで「安全に並列で回したい」→Desktop。「3つ以上をずっと画面で見比べたい」→今でもVS Code(IDE拡張)に軍配。目的によって、向いている入り口が違います。

PART 3 / 3

注意点と当てはめ

裏取りで分かった誤解しやすいポイントと、実際の運用イメージ。

第7章

【注意】誤解しやすいポイント(裏取り済み)

SNSやブログの情報をそのまま信じると、少し言い切りすぎている部分があります。公式ドキュメントで1つずつ確認した結果を、正直に整理します。

よく見る言い方正確には
Agent SDKはCLI専用独立したライブラリ。CLI・Desktop・Web共通の裏側技術という位置づけが正確
ルーティンはWebだけの機能Webが最も機能が揃うが、CLIの/schedule・Desktopのサイドバーからも作成可能
Desktopは2026年4月14日に刷新されたその日付はAnthropic公式ドキュメントには載っていない(外部ブログ発の情報)。機能自体(並列セッション管理・worktree自動隔離)は公式ドキュメントで確認済み
Agent View(CLIの複数セッション一覧)はもう正式機能2026年7月時点でも「リサーチプレビュー」段階。特定バージョン以降が必要で、仕様がいつ変わってもおかしくない
IDE拡張は「インライン差分」(エディタの行に直接表示)公式には「サイドバイサイド比較」の専用画面という説明
IDE拡張の複数タブは衝突する公式ドキュメントに明記なし(未確認情報として扱う。Desktopのような「自動隔離」の説明はIDE拡張には無い、という事実のみ言える)
Desktopは画面にいくつでもセッションを並べられる誤り。公式ドキュメント(desktop.md)で確認:分割ビューは2セッションまで。3つ目をクリックすると、表示中のどちらかと入れ替わる

※仕様・研究段階の機能は変わりやすいので、実際に導入する前は必ず公式ドキュメントで最新を確認してください。

第8章

自分の環境への当てはめ

ここまでの結論を、実際の環境に落とすとこうなります。

やりたいこと使う入り口
日々の「投げて確認」Desktop(速いし、既存設定がそのまま効く)
時刻指定だけの定期実行CLI(/schedule)かDesktop(サイドバー)で足りる
API・GitHubの出来事で発火Web(ここだけ対応。n8n等からの呼び出しもこちら)
重い自動化・独自ツールへの組み込み・将来の納品物CLI(Agent SDKを使った開発作業はここが主戦場)
自分でコードを細かく触る局面だけIDE拡張
3つ以上を同時に画面へ並べて見比べたいIDE拡張(Desktopの分割は2つまで)
結論「IDE拡張から離れそう」という感覚は半分正しい直感です。作業の主軸が「自分で書く」から「AIに任せて確認する」に移ったなら、Desktop・Web・CLIがその新しい使い方に合っています。ただし「3つ以上のセッションを常に画面で見比べながら回したい」という使い方だけは、今でもIDE拡張の方が上です。Desktopが上回っているのは「安全性(worktree隔離)」であって「画面に並べられる数」ではない、という区別を持っておくと、混乱しません。

付録

用語ミニ辞典

Git worktree(ワークツリー)
1つのGitリポジトリから作れる、独立した作業コピー。あるコピーでの変更は、コミットするまで他のコピーに影響しない。
Agent SDK
Claudeを自分のアプリ・製品に組み込むための独立したライブラリ(Python/TypeScript)。CLI専用の機能ではない。
ルーティン//schedule
「毎朝◯時に」など定期実行の予約。CLI・Desktop・Webいずれからも作成でき、クラウドで動くタイプはPCを閉じても続く。
Agent View
CLIのclaude agentsコマンドで、複数セッションの状態を1つの表で見るダッシュボード。2026年7月時点で「リサーチプレビュー」段階。
サイドバイサイド比較
変更前後を並べて見比べる差分表示の形式。IDE拡張・Desktopで使われる。
リサーチプレビュー
正式機能になる前のお試し公開段階。仕様が変わったり、無くなったりすることがある。
この教材の作り方(透明性のため)本文の事実は、Anthropicの公式ドキュメント(overview/desktop-quickstart/desktop/worktrees/vs-code/routines/agent-sdk/agent-view)で1つずつ確認しています。「Desktopの刷新日付」のように、出回っていても公式で裏が取れなかった情報は「不確定」と明記し、断定を避けています。「Desktopは画面にいくつでも並べられる」という当初の理解も、公式ドキュメント(desktop.mdの「分割ビューは2セッションまで」の記述)で誤りと判明し、本文を訂正しました。仕様は変わりやすいので、導入前は必ず公式で最新をご確認ください。