脱・属人プログラム — 学習ノート
— 最初に覚える11の言葉
「.mdって何?」「スキルって?」「CLAUDE.mdとメモリは何が違うの?」——使い始めると、聞き慣れない言葉が次々に出てきます。この資料は、そのひとつひとつを数行で説明するだけの1枚です。作り方は書きません。「その言葉が何か」が分かれば、今は十分です。
2026.08.21 作成 / 公式ドキュメントで裏取り済み
PART 1 / 4
最初に決める3つのつまみ
安全・賢さ・念入りさ。ここだけ先に押さえます。
01
AIがどこまで勝手に進めてよいかの設定です。送信ボタンの隣にあります。
| モード | 意味 |
|---|---|
| Manual | 1つ動くたびに「やっていいですか?」と聞いてくる |
| Accept edits | ファイルの書き換えは確認なしで進める |
| Auto | 別のAIが裏で危険な操作だけ止める。基本は聞いてこない |
| Plan | 何も変更せず、先に計画だけ立てる |
入力欄の近くでモデル(AIの種類)を選べます。ざっくり「賢い=じっくり考えるが遅い」「軽い=速いが浅い」の関係です。
| 選び方 | 向いている場面 |
|---|---|
| 賢いモデル | 設計を考える、複雑な仕組みを作る、長い文章を書く |
| 軽いモデル | 短い書き換え、単純な整形、大量の繰り返し |
迷ったら既定のままで構いません。賢いモデルほど使用量を早く消費するので、「軽い作業が続くときだけ下げる」くらいの使い分けで十分です。
同じモデルでも、どれくらい念入りに考えてから答えるかを調整できます。上げれば精度は上がりますが、時間と使用量も増えます。
これも最初は触らなくて大丈夫です。「大事な設計を任せる」ときに上げる、「簡単な作業ばかり」のときに下げる——必要になってからで間に合います。
もっと詳しく → Claude Codeを動かすまで
02
パソコンの中に、2つの箱ができます。役割がまったく違うので、最初にここだけ押さえてください。
Claude Codeは、開いたフォルダの中だけで働きます。だから「どこで開くか」がそのまま「AIに見せる範囲」になります。デスクトップ全体などを選ばないのは、このためです。
もっと詳しく → AIの第二の脳を作る(②の中身の育て方・守り方)/Claude Codeを動かすまで(①の作り方)
PART 2 / 4
ルールと記憶のはなし
「毎回同じことを言わなくて済む」ための道具です。性質が全部違います。
03
ただのテキストファイルです。中身は文字だけ。特別なソフトは要りません。
普通のテキストと違うのは、# で見出し、- で箇条書き、といったごく簡単な印で構造を表せること。人間も読めて、AIも構造を理解できるので、AIとのやり取りではこの形式が標準になっています。
作った文書も、AIへのルールも、記憶も、ほとんどが .md です。「.mdと出てきたら、ただの文字が入ったファイルだ」と思っておけば大丈夫です。
もっと詳しく → ルールをAIに守らせる3つの道具
04
AIが作業を始める前に、毎回かならず読むルールです。ファイル名は決まっていて、中身はただの .md。「敬語で書いて」「専門用語は補足して」といった、毎回言うのが面倒なことを書いておきます。
置き場所は2か所あり、効く範囲が違います。
| 置き場所 | 効く範囲 | たとえ |
|---|---|---|
~/.claude/CLAUDE.md | どのフォルダで開いても効く | 会社の就業規則 |
各フォルダの CLAUDE.md | そのフォルダで開いたときだけ | その現場のルール |
2つは足し算です。片方がもう片方を消すことはありません。
もっと詳しく → AIの第二の脳を作る
05
AIが自分で書きためていく記録です。CLAUDE.mdとの違いは、誰が書くかです。
| CLAUDE.md | メモリ | |
|---|---|---|
| 書く人 | あなた | AI |
| 中身 | 守ってほしいルール | やり取りの中で分かった事実・好み・決定 |
| たとえ | 就業規則 | 担当者の引き継ぎメモ |
どちらもただの .md で、置き場所はコーポレート側(`~/.claude/` の中)です。作業フォルダを消しても、記憶は巻き添えになりません。
※Claudeのアプリ側(チャット・Cowork)にも「メモリ」があり、名前は同じでも別物です。あちらはAnthropic側に保存され、設定 > メモリから覚えている内容を確認・削除できます(2026年8月25日にチャットとCoworkで共有されるようになりました)。Claude Codeの記憶はあなたのPCの中だけで、そちらとは同期しません(公式に明記)。
もっと詳しく → AIの第二の脳を作る
06
会話のひとまとまりのことです。1つの作業に1つ、が基本です。
大事なのは、AIが一度に覚えていられる量には上限があるということ。話が長くなるほど机の上が散らかっていき、だんだん精度が落ちます。話題が変わったら新しいセッションを開く——これだけで調子が戻ります。
「返事が遅い」「さっき言ったことを忘れている」「同じところをぐるぐるしている」——これらは机が散らかってきたサインです。対処は3つあります。
| やり方 | どうする | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 新しいセッションを開く | 会話を切り替えるだけ | 話題が変わるとき。いちばん確実 |
/compact を打つ | 要点だけ残して、その場で圧縮する | 同じ作業を続けたいが、重くなってきたとき |
| 引き継ぎ文を作らせる | 次の会話に渡す文章を作らせてから移る | 作業の途中で、経緯を失いたくないとき |
いちばん確実なのは新しいセッションを開くことですが、そのままでは今までの経緯がゼロに戻ります。そこで、移る前にこう頼みます。
出てきた文章を新しいセッションの1通目に貼るだけです。机はきれいなまま、経緯だけを持ち越せます。担当者が代わるときの引き継ぎメモと同じ発想です。
PART 3 / 4
繰り返しを減らす道具
同じ作業を2回以上やるようになってから効いてきます。最初は名前だけで十分。
07
入力欄で / を打つと出てくる、よく使う操作の呼び出しです。文章で説明する代わりに、一発で呼べます。
最初に覚えるのは、これくらいで足ります。
| コマンド | 何をするか |
|---|---|
/compact | 会話が長くなったとき、要点だけ残して圧縮する |
/permissions | いまAIに何を許可しているかを一覧で見る |
/usage | 使用量や契約プランを確認する |
もっと詳しく → 非エンジニアのためのコマンド地図
08
よく使う頼み方を保存して、いつでも呼び出せるようにしたものです。中身は手順を書いた .md にすぎません。
中身は SKILL.md という1枚のファイルです。CLAUDE.md が「ずっと効くルール」なら、SKILL.md は「呼んだときだけ効く手順書」——同じ .md でも役割が違います。
| 呼び方 | やること | 使いどころ |
|---|---|---|
| コマンドで呼ぶ | / を打って一覧から選ぶ(例:/記事作成) | 確実に呼びたいとき |
| ふつうに頼む | いつも通り日本語で書くだけ | 名前を覚えていないとき。AIが自分で判断して使う |
「/ の後に何て打てばいいの?」の答えは、スキルを入れたフォルダの名前です。
忘れたときは / を打てば一覧が出るので、そこから選べば大丈夫です。
SKILL.md の冒頭には description(どんなときに使うスキルか)が1〜2行書いてあります。AIはここを読んで、「今の頼みごとはこのスキルだな」と自分で判断します。だからコマンド名を覚えていなくても、ふつうに頼むだけで使われます。| いつ効くか | 中身 | |
|---|---|---|
| CLAUDE.md | そのフォルダで作業している間ずっと | 口調・前提・守ってほしいこと |
| SKILL.md | 呼び出したときだけ | 決まった作業の手順(レシピ) |
そして、これが脱・属人の核心でもあります。作れる人が型を作れば、ほかの人が同じ品質で呼び出せるようになります。全員が作り方を覚える必要はありません。
CLAUDE.mdと同じで、置き場所によって効く範囲が変わります。
| 置き場 | 場所 | 効く範囲 |
|---|---|---|
| 会社 | 管理者が配る設定 | 組織の全員 |
| パーソナル | ~\.claude\skills\ | 自分の全フォルダ |
| プロジェクト | そのフォルダの .claude\skills\ | そのフォルダの中だけ |
だから、こう使い分けます。
| やりたいこと | やり方 |
|---|---|
| この案件だけで使う | プロジェクト側に置く |
| どの案件でも使う | プロジェクト側を削除してから、パーソナルへ移す |
| 両方持ちたい | 名前を変える(例:汎用版を 記事作成-汎用 に) |
| チームに配りたい | プロジェクト側のまま。フォルダごと渡すか、GitHubに入れる |
※例外:同じ名前でも、さらに下のフォルダに置いた場合だけは両方残ります。名前の前にフォルダ名が付いて区別され(例:/ai-content:記事作成)、作業中のファイルに応じて使い分けられます。上書きされるのは「パーソナル対プロジェクト」のように段をまたぐときだけです。
もっと詳しく → Claudeスキルの作り方と使い分け
09
AIが何かをする「前」や「後」に、決まったプログラムが必ず走る仕掛けです。
CLAUDE.mdとの違いは強制力です。
| 性質 | 守られるか | |
|---|---|---|
| CLAUDE.md | AIへのお願い | 守らないことがある |
| hook | 仕組みとして割り込む | 必ず走る |
使いどころは2つだけです。
git add . のような、まとめて全部を対象にする操作を禁止する)「CLAUDE.mdに書いたのに守ってくれない」という場面が出てきたら、hookに格上げする——これが本来の使い方です。最初から作る必要はありません。
もっと詳しく → ルールをAIに守らせる3つの道具(.md・lint・hook)
10
別室で働いてもらう助手です。調べ物や下読みのような、量は多いが結果だけ欲しい作業を任せます。
いちばんの利点は、本体の会話が散らからないことです。助手は自分の机(別の作業領域)で作業し、結果だけを持ち帰ります。途中の大量のやり取りは、こちらの机に載りません。
もっと詳しく → サブエージェント入門(別室の助手)
PART 4 / 4
つなぐ・守るのはなし
外のサービスとつなぐとき、必ずセットで出てくる言葉です。
11
どちらもAIと外部サービス(Google ドライブ、Notion、GitHubなど)をつなぐ仕組みです。つなぐと、AIがそのサービスを直接読み書きできるようになります。
言葉としては、コネクタ=設定画面からクリックでつなぐもの、MCP=その裏側にある共通の規格、と押さえておけば十分です。
| 言葉 | ひとことで |
|---|---|
| APIキー・トークン | サービスに入るためのカギ。パスワードと同じ扱い |
| .env(ドットエンブ) | そのカギをまとめて置いておく専用ファイル |
| deny(デナイ) | 「読ませない・触らせない」と封印する設定 |
この3つは必ずセットで出てきます。「.envにカギを置き、Claude Codeにはその.envを読ませない(deny)」と設定すると、作る本人であるAIはカギを見ないのに、出来上がったツールはカギを使ってちゃんと動く——という状態になります。
もっと詳しく → API・APIキー入門/AIの第二の脳を作る/Google DriveとClaude Codeの連携ガイド
まとめ
ここまでの11項目を1枚にまとめました。右の列が、その言葉が必要になる場面です。全部を今すぐ覚える必要はありません。「この場面が来たら、この言葉を思い出す」——この表はそのために使ってください。
| 言葉 | ひとことで | 必要になる場面 |
|---|---|---|
| 権限モード | どこまで勝手にやらせるか | いちばん最初。1回だけ設定 |
| 作業フォルダ | AIに見せる範囲 | いちばん最初。開く場所を決めるとき |
| .md | AIが読み書きしやすい文書 | 作ったものを見るとき |
| CLAUDE.md | AIへのルール | 同じ指示を2回言ったとき |
| メモリ | AIが覚えたこと | 「前に言ったよね?」となったとき |
| セッション | 会話のひとまとまり | 話が長くなってきたとき |
| スラッシュコマンド | よく使う操作の呼び出し | 慣れてきたとき |
| スキル | 頼み方の保存 | 同じ作業を2回以上やったとき |
| hook | 必ず走る仕掛け | ルールを守ってくれないとき |
| サブエージェント | 別室で働く助手 | 調べ物や大きい作業を任せたいとき |
| MCP・コネクタ | 外部サービスとの接続 | Drive・Notion等とつなぎたいとき |
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言葉が分かったら、あとは順番に手を動かすだけです。全部を今やる必要はありません。
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